安心典礼 今月(11月)のお話

~霜月会・天台大師~

今年も早いものであと2ヶ月ほどとなりました。11月のことを「霜月」と言いますが、由来は字の通りで 「霜が降りる月」から来ています。ですが、感覚的には霜が降りるのはもっと寒くなってからでは?と感じられる方が多いと思います。これは元々旧暦の名称を現在の新暦でもそのまま使っているのですが、実際の時期が旧暦と新暦ではずれており、旧暦の霜月は現在の11月下旬~1月上旬に当たるため、その頃には霜が降りているということになるわけです。

ところで11月に行われる仏事としては、霜月会(しもつきえ)があります。天台宗を開かれた中国の天台大師が11月24日に亡くなられたため、天台大師の遺徳を偲んで全国の天台寺院にて行なわれる法要です。正式には天台大師会(てんだいだいしえ)と言います。天台大師は、お釈迦さまの説かれた教えの中で『法華経』(妙法蓮華経)を最も重要なお経として位置付けました。『法華経』の「諸法実相」→ あらゆる事物・現象がそのまま真実の姿であるという教えに基づいて、修行の第一義とし仏教を大成しました。 後に伝教大師(最澄)によって平安時代の初期に日本に伝えられ、やがて様々な宗派が生まれていきました。(総本山は滋賀県の比叡山延暦寺)

「この世の中のあらゆる事物・現象がそのまま真実の姿である」と受けとめ、またそのように感じられた時それが悟りとなります。その悟りは様々な修行によって自分の心を静寂に保つことにより体得しうるもの。自分の心を静かに見つめると心に対応して外の世界があり、心の動きの中に宇宙がある。迷いそのものの中に悟りがある。つまり悩みや苦しみがあるからこそ、その向こうに生きる喜びがある。私たちがおくる日常生活そのものの中に悟りがあると説いています。